【感情】意外と簡単にリセットできるらしい
今週読んだ本
著者: 樺澤紫苑
題:人生うまくいく人の感情リセット術
出版:三笠書房
発行年:2019年
有名な精神科医である著者が、悩み・苦しみを、心理学、精神医学、脳科学のエビデンスでもってラクに変えていこうという本です。
他人の性格を変えるなんてできないし、大っ嫌いな上司がある日突然いなくなることはあり得ないから、悩みの原因はほっといて、
ネガティブになってしまう感情の方をリセットをしましょうということです。
いろんなリセット術を、上記写真のように挿し絵の挿入でまとめてあり、文章を読まなくてもわかりやすいです。
世の中の悩みの9割は解決できる――そのキメ手は、
感情や気分を決定している脳内物質。
ドーパミン(幸福)、エンドルフィン(快楽)、セロトニン(クールな楽しさ、癒し、感動)で、これら脳内物質は感情や気分を決定していて、『楽しい!!』ってときに、どばーっと、分泌されます。
このことを知っておくことが重要で、それをうまく使って感情をリセットするのだそうです。
それで、言い切れる実験・調査の結果のほうをまとめてみました。
「感情リセット術」につながる実験・調査
UCLAカリフォルニア大学ロサンゼルス校の演劇学科で行われた実験
グループを二つに分け、一方はこれまでの人生で起こった最も気が滅入ることについて一日中考え、脳科学者の前で演技しながら表現する、片方は、楽しいことだけを思い出して演じてもらう。その後、数かい採血し免疫機能を測ったら、楽しい記憶を思い出したグループのほうが免疫細胞の数が多く活発だった。気が滅入る記憶を思い出したグループのほうは免疫細胞の数が著しく低下し、活動性も低く、感染症にかかりやすい状態になっていた
😢実際にストレスを受けているかは問題ではない。頭の中が苦しいと感じ、苦しいことばかり考えることでストレスホルモンを増加させストレスの悪影響を受けてしまう ということがわかる
ハーバードビジネススクールの研究
緊張を伴う状況下で「数学の難問を回答する」を体験する。行動開始前に、①ワクワクする ②落ち着いて ③不安だ、のどれかを発声した結果、①の ワクワクする と言ったグループはコントロール群よりも正答率が8%高かった
🤺この 実験は、ポジティブな言葉を使うだけで脳もポジティブになり、高いパフォーマンスを発揮できると示している
とある動物実験から
ゲージにマウスを入れて、ブザーを鳴らした3秒後に軽い電気ショックを与える。マウスは、ブザーが鳴ったら電気ショックが発生すること学習する。その次にブザーだけ何度も鳴らすと、マウスは完全に固まって動かなくなってしまった。
🐭ブザーという 不安 だけで、電気ショックを与えられるのと同じくらいかそれ以上のストレスを受ける
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不安のストレスは、起こってもないことに対する取り越し苦労
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メアリー・メル博士の研究
ボランティア活動をする人は、ボランティア活動をしない人に比べ、モチベーションが高く、活動的で、達成感や幸福感を強く感じており、心臓疾患の罹患率が低く平均寿命も長い。ボランティア活動によってエンドルフィンが分泌されるためと推測される
初頭効果の研究
人間の印象は初対面で90%決定し、あとからその印象を変えるのは難しい。
🤖脳は『快』『不快』、『好き』『嫌い』の二者択一で初対面の人間を判断し無意識にレッテルを張ってしまう(『嫌い』は脳のエラー)。相手のことを知るだけで嫌いが好きに変わる
自殺の調査
自殺の前に誰かに相談する人は40%に過ぎず、60%の人がだれにも相談せずに、ある日突然、自殺に至る。
😞死ぬか、生きるかという深刻な問題ですら、60%の人はだれにも相談しない…
いじめの調査
いじめられている小中学生の40%は、いじめられても誰にも相談せず我慢している
🙁深刻だから相談できない、相談できないから深刻化する。相談できないことが「苦しい」をさらに大きくする原因になっている
痛みの心理的実験
Aグループは、「痛い、痛い」と言いながら注射を打たれる。Bグループは注射を打たれるときジッと我慢してもらう。それぞれの駐車が終わった後、痛みを数字で表してもらうと、Aグループは痛みを我慢したグループと比べ痛みが1/5も緩和されていた
💉今の気持ちや感情を言葉に出すだけで苦しい気持ちは簡単に緩和される
ワシントン癌医療センターでの、末期がん患者の筆記エクササイズ
20分という決められた時間で『癌が自分たちの何を変えるのか、そしてその変わったことに対して自分はどう思うのか』を記述する。参加者の49%が「病気に対する考え方が変わった」、38%が「今の状態に対する気持ちが変わった」と、気持ちをラクにする高い効果が認められた
🥲たった20分の『表現』をしただけでストレスが軽減!
心強さ
被検者に人前で暗算をさせたり、大勢の観客の前で話をさせてストレスの影響を調べたところ、観客の中に応援してくれる友達がいた被検者のストレス反応は、応援のいない人と比べ穏やかだった
😊仲間が一緒にいる―― 友人の支援が得られることは生物学的に見てストレスを軽減する
カリフォルニア大学の研究|笑顔の効果
被検者に、『笑顔』『恐怖』『怒り』の3つの表情を作ってもらった時の、心拍数、体温、肌の電気信号、筋肉の緊張などを測定し記録した。次に、顔の変化は作らずそれら3つの感情を思い出してもらい同じように心拍数、体温、肌の電気信号、筋肉の緊張などを測定し記録した。
笑顔を作ると、わずか10秒で、安心しているときと同様の身体的変化(心拍数が低下し、筋緊張がゆるんだ)が出た。つま、笑顔を作るだけで、副副交感神経(リラックスの神経)が優位になり感情がリセットされた。
笑顔を想起するだけでも、30秒で同様のことが観察された
😄『笑顔』は、たったの10秒で感情をリセットする
東邦大学|泣く効果
涙を流して『泣く』ことによって、セロトニンが活性化することを生理学的に確認
🤧逆に、泣きたいのに涙を流すのを我慢するのは、アドレナリンが高い(交感神経が優位)状態が続く、つまりストレスがかかった状態。『涙』は感情をリセットするためにあるから、泣きたいときは泣くのがよい
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泣く=魂の浄化
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末期がんの患者を対象にした大規模調査
末期がんと徹底的に闘った場合よりも、末期がんと闘わずに受け入れた場合のほうが患者さんは長生きしていた
闘うことは大きなストレスとなりコーチゾールなどのストレスホルモンが分泌される。コーチゾールは免疫抑制作用があり、癌免疫も低下させる。ナチュラルキラー細胞(がん細胞と闘う主力部隊)を殺す働きもある
🙂取り除けない原因(絶対変えられないストレス)と闘ったら、ストレスはより増大するので受け入れるのがよい
厚生労働省の調査|うつと睡眠
20歳以上の男女2500人を対象に行った調査によると、
7時間以上8時間未満の睡眠をとる人たちに「うつ状態」の割合が最も低かった。
5時間未満の人たちでは47.9%、10時間以上の人たちでは50.2%が「うつ状態」で、
睡眠不足あるいは長時間睡眠の人に「うつ状態」が極めて高い確率で見られた
睡眠不足と過労死の研究
過労死の原因となる心筋梗塞や脳卒中などの発生率は、仕事の量や大変さと相関するのではなく、「睡眠の短さ」と相関していた
睡眠時間と死亡率の調査
1万人以上を対象にした調査で、1日6.5~7.5時間睡眠をとっている人は死亡率が最も低く、睡眠時間がそれよりも長くても短くても死亡率は高かった。また、毎日の睡眠時間が6時間未満の人は、6~8時間睡眠をとっている人に比べ、若くして亡くなっている人が12%も多い
🧟♀️睡眠不足・睡眠過長は、命を削る。7時間寝よう。
運動とストレスの関係の実験(生理学者ハンス・セリエ)
100匹のラットに「痛み」、「雑音」、「ショック」、「閃光」などのストレスを、繰り返し与えた。ラットは1カ月たらずで、100匹すべて死んでしまった。次に、同じ種類のラットを、事前に運動させてコンディションを上げてから、同じストレ スを与えたら、1カ月たっても、1匹も死ななかった。
「運動」は、ストレスへの耐性を高める、ということがわかった。
デューク大学、うつ病に対する運動療法と薬物療法を比較した研究
運動療法には、薬物療法と同じ程度の効果があると認められた。また、薬物療法のあとにうつ病を再発した人の確率は38%だったのに対し、運動療法をした人の再発率はたったの8%だった
学び
「悩みの原因」は消せなくても、「悩み」は消せる。古くから、病は気から というけれどほんとですね。嫌いな気持ちもおさまらない怒りも、脳のエラーで、「なんとかなる」そう思った瞬間、軽くなっていくものなんですね。イヤな感情を察知したら、幸せホルモンがしっかり分泌されるような行動をとるのが良きです。私が始めた「行動」は3行日記と、笑顔にしておくことです🐵。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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